フィッティングサービスのほかにも、コスメ、ライフスタイルを彩る商品などさまざまなアイテムとの出会いの場である、E SALON。
その中には、日本全国の都道府県から集めた人気商品をご紹介するスペースもご用意しています。
今回は、自治体の魅力をPRするお取り組みの一貫として、E SALONをご活用いただいている佐賀県小城市のご担当者、西田さんにお話しをお伺いしました。
小城市の特産品を紹介するリアル店舗として活用するだけでなく、昨年は「E SALON deふるさと納税」というキャンペーンを実施することで、ふるさと納税に興味を持ってもらうきっかけや、納税までのスムーズな流れをつくることができたといいます。
E SALONでお取り組みをスタートしようと思ったきっかけ、また、ふるさと納税のキャンペーンを実施してみての感想など、西田さんには様々な観点からお話しを伺いました。
編集部:
まずこちらをご覧いただいている読者の皆さまには、小城市について知っていただきたいと思います。西田さんから見た小城市の魅力とは、どんなところだと思われますか。
西田さん:
それは何といってもまず、水がきれいだということですね。名水百選に選ばれた清水川が流れています。
小城市は佐賀県のちょうど中央にあって面積はおよそ96平方キロメートルの、コンパクトな市です。九州は山が多いけれど平野は少ないという中で、小城市は佐賀平野という広大な平野に恵まれています。
山があって、平野があって、海もある。そういう自然環境がとても豊かなところなんですね。その上、水もきれいなので、天然水はもちろん炭酸水だったりお酒も有名どころが多いですね。それからお米。有明の海苔も有名ですが、これも水がきれいだから、というのがあると思います。天山という山があって、そこから流れ出て有明海に注いだ水が、海苔になるので。
編集部:
やはり水がきれいで豊穣な土地、素晴らしいと思います。小城市の誇れる部分、ということがよく伝わってきました。それから西田さんがおっしゃった炭酸水、お酒だとジンもESALONでお取り扱いさせていただいていて、人気でした。羊羹なんかも人気ですよね。
西田様:
はい。それも「水がきれい」だということが、やはり大きいでしょうね。水はすべての源、農業や漁業、それから林業、ものづくりの部分でも関わってきますから。水質が良ければ飲料はもちろん、その地域でつくられる食品も自然と美味しくなります。当然、健康にもよいということで、全てに繋がるところだと思います。
編集部:
おっしゃる通りですね。今からすぐに小城市に行ってみたくなります。それほど水がきれいな場所ですから、食べ物は最高に美味しいでしょう
西田様:
これは余談で、昔私が中学生の頃に理科の先生が「小城の水は純水に近いから電気が通りにくい」という話をされていたことを、未だに思い出すことがあるのですが(笑)。つまり真水だと純度が高いから普通の水道水のように電解質みたいなものが入っていない、ということですね。たとえ話だとは思いますが、小城の水はそれくらい綺麗、ということを伝えたかったのだろうと思います。
編集部:
良いお話ですね。そういった土地ならではの魅力やそこにしかないエピソードをお伺いすると、やはり「実際にその場所を訪れてみたい!」という気持ちになりますね。ふるさと納税は、税金を納めて返戻品をもらうだけでなく、その行動を通じて自治体の魅力を知って、観光をはじめ、その後の様々な展開につながっていく可能性があると。
西田様:
はい。ふるさと納税をきっかけに小城市の魅力を知っていただけたらと思っています。
編集部:
さて本題に入りますが、小城市さんは昨年の秋からE SALONに出店していただいています。12月からは、およそ1ヶ月にわたって「E SALON de ふるさと納税」と題した、ふるさと納税のしくみや小城市の魅力について知っていただくキャンペーンを実施しました。
ずばり、小城市としてE SALONに出店を決めていただいた理由について、お伺いできますでしょうか?
西田様:
はい。最初のきっかけは中村さんに、「地元の商品を販売しませんか?」と、お声がけいただいたことですね。こちらのメリットをわかりやすく伝えていただいただけでなく、初めての取り組みでもわかりやすい説明をしてくださったので、ありがたかったです。
編集部:
そうだったのですね。今、自治体として抱えている課題解決につながりそうなヒントがあったのでしょうか。
西田様:
小城市は、もともと人口が約4万4千人くらいの規模の小さな市でして。今、地方はどこも共通して抱えている課題だと思いますが、私たちのまちも他の自治体と同様に、人口減少が目下、大きな懸念点となっています。
人口が減ると市場規模が小さくなる=単純に「モノが売れなくなる」ということになりますから。モノが売れなくなるということは、事業者さんにとっても当然ダメージになるわけで、この状況をなんとかしなければ、という思いがずっとあったんです。
地場産業を支えるためにも、これまでと同じような方法ではなく、もっと違った方法を考えなければならないと。
編集部:
そこで着目されたのが、ふるさと納税の仕組みだったのですね。
西田様:
はい。ただ、この課題を小城市だけで解決しよう、私たちの力だけで頑張ろうと思ってもなかなか難しい、という現状がある。そうした中で、一自治体という枠にとらわれることなく視野を広げて日本全体で見た時に、「まだまだ市場を確保できるチャンス」があると感じたんですね。地元産業を盛り上げる意味でも、せっかくあるふるさと納税の仕組みをできる限り活用して最適な場で展開することができれば、多くの方に情報が届けられる上に地元の特産品に興味を持っていただく機会を増やすことができるのでは、と考えたんです。
もちろんECサイトで地元の商品を販売するという方法もあって、小城市でも観光協会が実際に「小城万彩」というサイトで様々な地元特産品の販売を行なっています。しかしECサイトに出品したからといってすぐに売れるかというと、話はそう単純ではなくてですね…。
ただでさえ、これだけ多くのサイトが乱立している状態の中で、さらには広告出稿にも相当なお金をかけているところもある。そういう中で、「見つけてもらう」こと自体が至難の業で。そのハードルが、年々高くなっているんですよ。
編集部:
たしかに今ECはかなりたくさんありますし、多くの自治体が様々な方法で情報発信を行っていることを考えると、「まず知ってもらう」というチャンス、最初の入り口をつくることだけでも、かなり難しいことなのかもしれませんね。
西田様:
そうなんです。自治体の中にもいろいろあってECではなく、アンテナショップを出したりするところもありますが、小城市にはとてもそんな余裕はなく…。そういう中で、何かできないか?と漠然と考えていた時期に、中村さんからご提案をいただけたんです。
編集部:
ちょうど、タイミングも良かったのですね。
西田様:
私がふるさと納税の担当だったので、なんとかしたかった。「できることをやりたい」という思いがありました。そうした中で、ふるさと納税の促進と地元特産品の販路拡大をセットで考えたら、ふるさと納税で出店費用を賄いつつ、地元の商品の市場を拡大するような仕組みが都市(大阪)でも構築できるのではないかと、ご提案をいただきました。
内容をお聞きしてみて、最初に感じたのは「多少お金がかかるとはいえ、冷静に考えてみたら自治体としてのリスクゼロ」だということ。
さらに、これが上手くいって、ふるさと納税が入ってくるとしたら、ゼロどころか私たちにとってはプラスになる。これをきっかけに地元商品のECサイトに繋げることもできたり、その後、さまざまな展開への可能性も広がります。
そう考えた時に、「やらない理由はない」と思いましたね。それが、ESALONさんへの出店を決めた、何より大きな理由です。
編集部:
貴重なエピソードをありがとうございます。小城市さんにとっても初めてのことで最初は勇気もいるだろうと想像していたのですが、むしろ良い流れ、具体的なメリットのほうをイメージできたということですね。
西田様:
おっしゃる通りです。ふるさと納税を絡ませながらESALONさんで展開していただいたら、商品をご覧になったお客様が興味をもってECで商品を購入してくださるという流れができる可能性もありましたから。実売につながる流れが見える、ということは大きいですよね。
それからもう一つ、「人を介して商品や小城市の魅力を伝えていただける」ということも、大きなポイントでした。
ふるさと納税のサイトやECでも、商品説明やモノに込められた作り手の思いなど一通りの記載はありますが、やはり直に接客してもらった時は、お客様の受け取る情報にも違いが出てくると思うんです。とくにSRLさんは販売接客のプロですので、小城市の特産品やふるさと納税のしくみを店舗スタッフの方がわかりやすく説明していただけるだろう、という安心感もありました。
さらにこれまで小城市の情報を届けられなかった層――たとえば大阪をはじめとした都市部の人たちや、これまでふるさと納税にあまりなじみのなかった20〜30代の若い世代にもアプローチできるだろうと。そういった全体像のイメージが明確に見えたので、お願いすることにしました。
中村さん:
自治体にも様々なところがありますが、やはりESALONのような場所で展開することに、ややハードルを感じるかたも多い中で、西田さんのように先進的な考え方をもっているところは少ないだけに、私たちも嬉しかったです。
西田さんからお話しいただいた時に、ふるさと納税でもプロパーでも買える仕組みはいいなと思って、取り入れさせてもらったという感じですね。
西田様:
中村さんのおかげです。私たちも「本当にやってよかった」と感謝しております。
とくに12月はキャンペーンも実施して、力を入れていただきました。それが功を奏したのか、結果的には、大阪をはじめ関西エリアの方々からの納税額を大幅に増やすことができました。
私としては、スタートしたばかりということもあったので、今はまだ事業を成長させる段階、くらいに考えていたのですが、目に見えて結果が早く出たこと、それが具体的なデータになって現れてきたことは大きかったと思っています。今年も引き続き、よろしくお願いいたします。
中村さん:
こちらこそです。引き続きよろしくお願いいたします!
西田様:
私たちがどんなに頑張っても届かないであろう、若い層に情報が届いたこともありがたかったですね。ふるさと納税に関する意識調査でも、20〜30代の若い層は、ふるさと納税には関心があっても、やり方がわからないから始められない、という方も多いようですので。
そういう中で、目の前で、ふるさと納税の仕組みを教えてくれたり、手続きから納税までのフローを教えてくれたり、おすすめ商品を教えてくれたり。自分たちで分かっている人たちはそういうことも抵抗なくできるのでしょうけど、それ自体をハードルに感じる方もかなり多い中で、ESALONさんで行っていただいた展開は、最適に近い手法なのではないかと、感じております。これは、ウェブ上だけではできないことですから。
編集部:
おっしゃる通り、リアルな場があるからできること、生まれる繋がりがありますよね。ESALONはオンラインとリアルの架け橋、お客様とモノ、また価値ある新しい体験との接点の場としてあると考えて展開していますので、そう言っていただけると嬉しいです。
実際に店舗での結果につながらなかった場合でも、ふるさと納税に関心をもった方がその後サイトで調べたり納税までのアクションを起こした、という方もいらっしゃるのでしょうね。
私も実際に店舗で小城市さんの返礼品を見させていただいたのですが、一つひとつの商品がすごく魅力的に映りましたし、小城市のことをもっと知りたい、という気持ちになりました。やはりリアル店舗とECサイトでは見え方が全然違いますし、同じリアルでもアンテナショップともまた違いますよね。
西田様:
その部分は、完全にSRLさんのアドバイスのおかげだと思っています。商品のチョイスはもちろん、レイアウトまでを含めて、私たちの商品が最も魅力的に見えるように、センス良く工夫していただけたので。
私たちも自治体として、いろいろな企業の方とお付き合いがありますが、アパレル業界の方とはなかなか繋がりができないんです。でも、こういう風に置いたら商品がもっとも際立つ、それからお客様をどう惹きつけるか?というところまで考えていただいたので、そこは本当に「さすが!」と感じました。こういったご縁があってご一緒できたことを、本当に嬉しく思っています。
中村さん:
そう言っていただけると私たちにとっても、活力の源になります。ありがとうございます。
先ほど西田さんが「人を介して」とおっしゃっていましたが、実店舗があってリアルに接客ができる環境というのは、やはり大きかったのでしょうか。最後に、こちらについて私からもお伺いできたらと思います。
西田様:
はい、それは確実にあると思います。ウェブ上では情報が溢れすぎていてなかなか届きませんから。それもあって小城市でも以前、観光協会が福岡にアンテナショップを出したことがあるんですよ。でもやっぱり、うまくいかなかったんですね。
自治体にお金に余裕があればまた違うのでしょうけれど、販売のノウハウが殆どないので、なかなか難しいんです。私の知る限り、相当数の自治体がチャレンジしているものの、実際にはうまくいかないケースの方が多いようですね。
他にも、都心では百貨店で物産展などが定期的に行われていますが、数日でも結構な金額がかかってきますから。イベントなのでその時は確かに賑わうのですが、どうしても一過性のものになってしまって、継続的なPRにならない。
そういった意味でも、ESALONさんの実店舗に常設していただいたことは良かったですし、スタッフの方を介して自治体の魅力を伝えていただけたことは、大きな成果だったと思います。やはり、リアルの場は大事ですね。
編集部:
ありがとうございました。本当に、西田様のお言葉が活力になります。
それでは最後に一言、メッセージをお願いいたします。
西田様:
ふるさと納税の制度は、自主財源の確保やシティプロモーションの面で有益なだけでなく、地元産業を活性化したり、新たなきっかけを生み出すことができる仕組みでもあると考えています。
ふるさと納税の仕組みを活用すれば、地元特産品の市場を拡大し、地元にお金が巡る仕組みをつくることにも取り組めます。地元産業が活性化して経済が回るように努めることは、地域の活力を維持していくとした観点からも自治体の大事な役割の一つでもありますので、そういう視点に立って、ふるさと納税を考えてみるのもよいと思います。
――――西田様、ありがとうございました!―――
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